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投稿日:2010年11月08日

2010年11月08日

11月8日は「いい歯の日」「いい歯並びの日」なのだそうだ。
私は小学4年生か5年生の頃にクラスの男の子達に「出っ歯」というあだ名をつけられ、その後「樫の木モック」というアニメの主題歌の替え歌の「吉川出っ歯」という歌まで作られて毎日がブルーだった。その頃の男子達というのは粗暴で、からかうのがエスカレートしてくる。追いかけてきてランドセルを蹴ったりもされたのだ。あれは恐怖だった。実際に蹴られると痛かった。当時私にとっては拷問でしかなくあれをいじめだとして学校に行かなくなってもよかったぐらい私自身は憂鬱だったのだ。
確かに歯が大きくちょっと前に出ている顔だった。
今なら気にもしないだろうが、当時の担任が懇談会で母に「子供はなかなかよく見てますねぇ」と、ついたあだ名の方に感心をしたので、母も私を不憫に思ったんだろう。ある日「お姉ちゃんは出っ歯だから」ということで、隣の駅の水無瀬にある歯医者さんに歯の矯正に通うことになったのだった。
2年ぐらいその歯科医院には通ったと思う。
毎日朝起きると入れ歯みたいな器具をパカっと口の中に入れる。すると前歯のラインに沿って針金みたいなものがはまるようになっていて、それをして学校に行くのだ。で、寝る時にはそれを外して寝るのだが、歯医者さんに通うとその針金の締め付けをだんだんキツくしていくので、調整後はしばらく歯の辺りがなんだか痒い感じがして落ち着かなかった。
しかし、その針金を毎日つけるだけで私の歯並びは結果変わった。結局出っ歯はそれほど直ったわけではなかったが、両側にあった八重歯が見事にひっこんで、歯の模型みたいな歯並びになったことは確かなのだ。
ニっと笑って口に針金がついている方が、見た目にはうんと違和感があった。
が、男子達は私の歯についての新曲を作ることはなかった。
お題が難しすぎると今度はよういじらんかったのやと思う。だいたい替え歌も「出っ歯出っ歯、ヨシカワ出っ歯、出っ歯出っ歯、ヨシカワ出っ歯〜」までしか歌はなかった。作詞能力はきわめて低かった。
「樫の木モック」のお話は最後にモックは木の人形から人間になった。
そして私は歯の模型みたいな歯並びを得ることとなった。
めでたし、めでたし。