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投稿日:2010年11月09日

2010年11月09日

和歌山県御坊市所蔵のカラス天狗のものとされるミイラが、和歌山市で開かれる展覧会を機会に創りものであるということが公表された。
このミイラは高さが40センチ弱。粘土と鳥の骨をつかって作られたものであったことが県の調べでわかったのだそうだ。それが3年前。当初は夢がなくなるということで公表されなかったそうだが、今回の展覧会で結果を公開することにしたらしい。
創りものだったのか。
私は「これがカラス天狗のミイラです」と言われたら、「うそぉ~」と言いながら信じるタイプなのだ。
”人魚のミイラ”や”カッパのミイラ”も「うそぉ~」と言いながらどこかで信じていたのだが、ではあれも創りものだったということなんじゃないのか。と、一気に気分が醒めてきた。
こういうものを作った人に対して私は「何の為にこんなものを作ったのかしら」という疑問を抱く。少なくとも自分はこういうものを作ってみようというアイデアは湧かないし、きっとアイデアマンで頭のいい人物なんだろうなとは思う。だが、咄嗟に「騙された!」と思った私としてはその頭の良さをこんなことに使ったことに少々腹が立っている。
同じ<にせもん>でも・・・
サンタクロースが居ないということを認識してから、今に至ってもなお私の中ではサンタの存在は温かなままだ。
そしてカラス天狗のミイラは何か黒い思惑の匂いがする。
「遊び心で作った」「信仰上で作った」といったものでなく、根っこにそんな邪なものがあるように思えてならない。
愛のないものは嫌いなのだ。
それにしてもよく出来ている。粘土と鳥の頭の骨を使って頭の部分を作り、くちばしや手足といった鳥に見える部分など要所要所は鳥の骨が使用されていて、骨格から使用されたのは二羽の「トンビ」とみられているらしい。
実は今回のミイラが創りものだったということは3年前の調査でわかっていたことだったのだそうだ。当初は夢がなくなるということで公表を控えていたらしい。にせものだったという事実を知ってガッカリはしたが今回の公表はやはり勇気が要ったと思う。こういうことこそが誠実で私自身心あたたまって救われる気持ちになるのだ。
ミイラになったトンビが一番災難だった。
「オレら、カラスとちゃうねんけど」
拝んでいた人に向かって何度も叫んでいたに違いない。