今日は横浜育ちのSさんに横浜を案内してもらった。
横浜は前回来たのは2〜3年前の夏だった。
家からは少し遠い横浜なのだが、その日はどうしても「横浜」に行ってみたくなってレンタカーを借りて一人出かけたのだった。
しかし、レンタカーに乗ってすぐに困ったことになる。
だって私は横浜を知らないのだ。知らないのにもかかわらず、急に漠然と「横浜に行ってみたくなった」という勢いだけで車に乗ってしまった。「どこでもいいの」とおまかせしたくても、ナビを自分で設定しなくては横浜行きは始まらない。いつものような電車に乗って行き当たりばったりのプチお出かけとは違うのだということに、ようやくそこで気づいたのだった。
<横浜の地名で思い出せるところはどこがあっただろう>
う〜〜ん、う〜〜〜ん。
「ワールドポーターズ!」
結局その日はワールドポーターズに出かけたが、ワールドポーターズを出てから先が思いつかず、港に近い暗い道でナビから何か割り出そうといじっているうちに「コンビニ」「ガソリンスタンド」しかヒットしなくなり、しかもその日は台風が来ていたことを知らずにだんだん雨風がひどくなってきて、それで断念して帰ってきたのだった。高速に乗った時はバケツ水を被るぐらいの雨風の威力でものすごく恐怖に覆われた。
横浜はやっぱり知っている人に連れて行ってもらうのが一番いい。
あの日そう思った。
今日は横浜駅から近くのベイクォーターというところに連れて行ってもらう。最近はこういう複合ショッピングセンターがあちこちにあるが、ここも5年程前に出来たまだ比較的新しいところなのだそうだ。横浜駅は海から少し遠いと思っていたが、ベイクォーターはもう海に面していて、なんとそこから船で赤レンガ倉庫や山下公園の方まで行ける船、シーバスが出て居た。
<う〜み〜は広いな、おおきいな〜>
海はやはり広くて大きい。雄大な景色を目にすると、それだけで自分の心が一回りゆるんでゆったりして感じられるから不思議なものだ。たまにこうした景色を見に出かけるということだけでも、随分リラックス効果は得られると思ったのだ。
「昔は海、もっと汚かったんですけれどね、今は随分綺麗になりました。」
そんな風にSさんは教えてくれた。子供の頃遊んだりしたエリアなど、昔の景色と今の景色のその両方がSさんには見えているのだ。いいところも悪いところも含めて、Sさんにとって愛すべき横浜なんだなぁということが言葉の端々で感じられる。私にも思い入れのある場所はあるけれど、ずっと居続けたたった一つの場所はない。自分にはこんな風に語れる場所はない。ちょっぴり羨ましくそして素敵なことだなぁと思った。
「あっ、飛鳥!」
いつか乗ってみたいとたまにパソコンで閲覧をしている、憧れの豪華客船が泊まっていた。
あまり私が長く歩けないこともあって、その後は赤レンガ倉庫とそのあとはお食事に連れて行ってもらった。
横浜は少し神戸を思い出す街。
夜景もまたキラキラ地上にまたたく星たちのようで、私にとっては日常を忘れるお出かけの場所だった。