新宿に買い物に行くのに西新宿にバイクを止めて歩いていたら、損保ジャパンのビルの東郷青児美術館の前を通りがかった。
ここは今トリックアート展をやっている。だまし絵は結構好きなので、数回観に行っているので期間内に行ってみたかったのだ。今入っても閉館の時刻までは楽しめるなぁと思って、そのままフラっと中に入ることにしたのだった。
ここは新宿の高層ビルの42階という場所にあるので、まず上がって美術館内に入るまでに遠く見晴らしのいい景色が眺められる。目の前には2年程前に出来た目立つ外観の新しいタワー、モード学園コクーンタワーがそびえたっている。
トリックアートは目の錯覚を利用した作風のものが結構あって、遠近感覚が反転したりするのを楽しみながら観るのが面白いのだ。あとは絵の中に別の絵が隠されていたり、立体的に見える平面の絵や鏡を真ん中に置いたらちゃんとした絵になっている物などなど、不思議な角度で描かれた絵もたくさんある。が、時々休憩をしながら観ないと私の場合途中で酔ったりするので、要注意なのだ。
展示されている作品を観て回る。メモを取っている学生さんらしき男の子も居る。私は学生の頃、ほとんど絵画には興味がなくて美術館なんて行かなかったなぁと当時を振り返った。
トリックアートのエリアが終わって常設展の部屋に移動する。
「えっ?そうだったの?」
知らずに来たが、ここはゴッホのひまわりが置いてあるのだ。ゴッホは同じひまわりという題材で描いた作品を7点残したと言われていて、そのうち現存する6点のうちの1点、15本のひまわりの絵がこの美術館にあるのだそうだ。
そこだけ小部屋になっていて、特別な空間になっているので入ってみた。
今まで絵はがきやいろんな画像で、この同じ絵を観ていたが、「ちょっとゴツっとしてやぼったい印象」を持っていたのが全く違う印象を受けたのが何より驚いた。綺麗な黄色のグラデーションと間近で観る絵のタッチがしなやかなのでビックリして、そしていたく感動した。
今はインターネットで何でも知ることが出来る時代になった。
でも何にしても本物を観る機会があったら、やっぱり本物に触れた方がいい。ゴッホのひまわりにカルチャーショックを受けて、強くそう思った。
館内でパパに連れられて、小学生の姉弟が一緒に絵を観に来ていた。
入口で見かけた時は子供には退屈かも・・・と一瞬思ったのだったが・・・・。
いやいや、そんなことはない。
夏休みはプールに行くのもよし、山や海で遊ぶのもよし、そして新宿に来ることがあればゴッホのひまわりの本物を観るのもとっても有意義な時間になると思うのであった。