数日前、私がちょこっと留守をしている時に机の上に忘れて置いたままだったピザを、ダンボが食べていた。朝ご飯をしっかり食べたあとで1/6カットのピザを二枚分なので、小型犬にしたらかなりの食べ過ぎになるのではないだろうか。
いつもと同じようにその日じゅうにお腹を壊すと思っていたが、ケロっとしていた。
あら、今回は平気だったのねと思っていたら、昨日ぐらいからお腹の調子がやっぱり悪いらしい。
「ご飯、食べる?」
食いしん坊のダンボが、この言葉に反応しない時はよっぽど調子が悪い時なのだ。
「おやつ?食べる?」
「おやつ」という言葉さえもしょぼんとして聞こえないフリをする。
そしてこの二つの言葉を投げかけてみて、こういう状態になった時は病院に連れて行く時なのだ。今回の原因はわかっているのだ。数日前に食べたピザでお腹の調子がやっぱり悪くなった。それ以外に考えられない。
病院はお前もいやだろうが、私もいやなのだ。多分本人はもう数日前のピザの盗み食いのことなんかは忘れている。それでお腹が痛くなったことも忘れているので、また病院に入るやいなや「いやなのにボクは無理矢理病院へ連れて来られた」顔をしてしょぼんとしているのだった。
「ダンボちゃん、今日はどうされましたか?」
受付と先生の補佐の人と先生に今日は3回「数日前に私が片付け忘れてしまったピザを食べてしまいまして・・・」と話すことになった。そしてその度に「ピザ?ですか?」と聞かれたのだ。
そして3回共大きさを尋ねられ「1/6カットサイズを二枚です」とうつむきながら答え、その度に「えぇ〜っ?結構大きいですね」と驚かれ、その度にまた私も「は、はい。そうなんです。すみません」と言っていた。
高いピザ代だったよ、お前。
5日分の薬をもらって家に帰った。
爪切りの時にさんざん暴れてモードが戻ったのか、ダンボは家に着いた頃は薬ももう必要がないほど元気ピンピンで「ご飯ちょうだい!」のダンスをしていた。
お前、犬でよかったよ。
人間だったら間違いなくダンボはダメ男だと思うのであった。