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投稿日:2010年08月23日

2010年08月23日

造影剤を入れてのCTの検査を受ける。
二週間前もCTの検査を受けたがその時は造影剤も入れず、ただ「念のため」に受けた検査だったのであまり緊張感もなくここに来たなぁと思い出す。でも今日はちょっと違う。何かがあるのを「確定診断」に近づけるための再検査。そりゃぁ、あったものが急になくなることはないだろう。何かあるのを確実に把握するために受ける検査なのだと思うと、やっぱり気が重くなる。
「では、着替えてこちらのお部屋でお待ち下さいね」
看護師さんは優しい対応だが、窓のない2帖ほどの個室で順番を待つのはどうも空気が重たい。隣りの個室の男性が呼ばれて、次が私かと思ったら、そうではないらしい。二人後から来た人が先に呼ばれて、私はそのあとになった。咳が止まらないおじいさんが呼ばれて検査室に行くのが聞こえたら、なんだか切なくなった。
私の番が来た。
造影剤を入れて、技師さんが出て行ったあとは機械のベッドに一人残されて、機械の発するロボット音声に私は従うだけだ。
「息を吸って」
「止めてください」
「楽にしてください」
あぁ、またこの声を聞くことになるとは。
被爆が少しはある検査なので、技師さんたちは検査中はここには居ない。痛くもない寝ているだけの検査だがひとりぼっちの感じがして心細くなるので、やっぱり好きになれない。
健康っていいな。
私が一番欲しいものは健康だ。これはもう10年前からゆらがない。仕事がうまく行かなかったときでも、「元気だったら何でも出来るし、別にいっか」とひどく落ち込むことはなくなったし、誰かが落ち込んでいても「元気でいれば大丈夫」と心の底からエールを送れる。
健康なんて別にいらないという人が居たら私は一番にもらいに行く。
お金で買えるものは、結局は全て微々たる幸せなんだろう。
お金で買えないものは、お金がいくらあっても買えないほど価値のあるものなのだ。