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投稿日:2010年08月26日

2010年08月26日

呼吸器外科の外来に行く。
エレベーターのところで場所を探そうと院内地図を見るのだが、いくら探してもない。結局わからないので職員さんに聞いたら、2Fの胸部外科というところに行って下さいということで2Fに行く。
患者さんがたくさん座っているのかと思ったら、おじいさんが一人ポツンと座っているだけ。4Fはいつも患者さんでいっぱいなのに、胸部外科でお世話になる患者さんが少ないんだと思うと心細くなる。
名前を呼ばれて入ると先日撮ったと思われる画像がたくさん並んでいた。
「胸腺腫ですね」
今、5〜6センチぐらいになっているらしい。
外科の先生は手術が中心になるので、治療方法としては手術なのだそうだ。
「全部取りきれるかどうかは、わからないです。それは約束は出来ません。ですが、出来るだけ取るようにはします」
私の胸腺腫は初めての手術の時に浸潤型といって、周りの組織に広がるタイプのものだとわかった。だから綺麗に取ったつもりでも小さな細胞が残っていて、そこからまた再発することがあるらしい。
「まずは、まぁガンですからね」
「先に全身と頭への転移を調べてから、細かい治療方法を決めます」
昔はこんなに簡単に「ガン」という単語って使われない時代があったよなぁと思いながら聞く。
手術なんだよなぁ。
ためらうことなくポンポンと「手術」「がん」「転移」「検査」という単語が出てくるのでわかりやすいと言えばわかりやすいが、一気に心細くなってきた。診察室に入って説明を受けたかと思うと、先生は院内の電話でPET検査と頭のMRI検査の予約のことで話をしていた。
「一番近いところで予約を取りたいんだけど」
検査予定もその場でどんどん決めて、次の診察の9月9日というところまで、あっという間に決めてしまった。でも私としては、これぐらいトントンと進めてもらう方がもうここまで来たらありがたい。
ところで私の9月、10月の予定、どうしたらいいんだろう。
ギリギリまで引っ張って、ごめん出来なくなったということだけは避けたい。先生に相談をしたら、う〜んと言ったあとで「出来ればやめておいた方がいいでしょう」とこれまたわかりやすくハッキリ提案をされた。
8月ももうすぐ終わり。
大好きな秋が待っていると思っていたけれど、また病院の秋なのか。
「じゃぁ、まず検査ですね」
ありがとうございますと言って診察室を出た。
病気のことになると私は本当に心が小さくなる。別に気にしないでおけばいいじゃんという自分がどうしても自分の中に探せなくなる。
小さい人間だなぁと思う。
ただ心細くなる。
”考えても仕方のないことは考えない”スイッチがあればいいのに。
病気のことになると、このスイッチがなくなってしまう。
スイッチ、売っていたらいいのにな。
まぁまぁ、ちょっとは自分に起きた出来事を受け止める容量は頑張って大きくしてきたつもりだったが、やっぱりポロっと涙が出た。一つ涙が出たらあとはポロポロとつながってこぼれて声だけが出ずに泣けてきた。